マイケル・サンデルの「これからの正義の話をしよう」の中で引用されていた(p.337)、ロバート・F・ケネディの1968年のスピーチがとても印象深い(※当時ケネディは民主党の大統領候補指名を目指していた)。それからすでに40年以上も経っているが、「満足の欠乏」との闘いの決着はまだ見えない。

<中略> 物質的欠乏をなくすため行動するにしても、より大きな課題がある。それは、満足の欠乏との闘いだ <中略> われわれはみな、そのために苦しんでいる。

<中略>

アメリカのGNP(国民総生産)はいまや年間8000億ドルを超えている。だが、そのGNPの内訳には、大気汚染、タバコの広告、高速道路から多数の遺体を撤去するための救急車も含まれる。玄関のドアに付ける特製の錠と、それを破る人たちの入る監獄も含まれる。セコイアの伐採、節操なく広がる都市によって失われる自然の驚異も含まれる。ナパーム弾、核弾頭、都市の暴動で警察が出動させる装甲車も含まれる。それに・・・子供たちにおもちゃを売るために暴力を美化するテレビ番組も含まれる。それなのに、GNPには子供の健康、教育の質、遊びの喜びの向上は関係しない。詩の美しさ、結婚の強さ、市民の論争の知性、公務員の品位は含まれない。われわれの機知も勇気も、知恵も学識も、思いやりも国への献身も、評価されない。要するに、GNPが評価するのは、生き甲斐のある人生をつくるもの以外のすべてだ。そして、GNPはアメリカのすべてをわれわれに教えるが、アメリカ人であることを誇りに思う理由だけは、教えてくれない。

【全文】Remarks of Robert F. Kennedy at the University of Kansas, March 18, 1968 - John F. Kennedy Presidential Library & Museum