マネーに奪われた本来の「富」とは?

■ Report 世界宗教者平和会議で「まほろば」を説く | セイゴオちゃんねる
http://www.eel.co.jp/seigowchannel/archives/2010/09/post_59.html

 松岡正剛さんのこのアジテーションはスゴい。

 直接的には、世界宗教者平和会議に参加する宗教者に向けたものだが、じつは広く幸福とか共生、平和を真剣に考える立場にあるすべての人に向けたアジテーション。

 もちろん、まなざしや手の暖かさはいつの時代も大事である。しかし、それを世界に広げようとするときに、本大会で皆さんが検討していることは、すでに資本主義が行ってきたこととほとんど変わらない。個々の自由の獲得が全体の調和を生み出すといったことは、アダム・スミス以来言われてきたことである。もし個の自由と全体の調和を、資本主義的ではない方法で宗教が説くのならば、もっと新しいシナリオをつくる必要がある。

 
そして松岡正剛さんからのヒント。

 そのためには、「まほろば」のなかに、矛盾や葛藤や悪、弱さや少数性、ロジックの不整合、アマルティア・センのいうような「非合理性」、非論理性、もっといえば「複雑なもの」を取りこんでいく必要がある。「まほろば」はやわらかく美しいものだが、いまやそういうものすら、複雑性を取りこんでいかなければならない時代である。

 資本主義を追認する形に収まっている現代の宗教に対する、手厳しい激励。

 大変なことだと思うが、宗教者の皆さんは全歴史を検討しなおし、全経済史と対決していくことも必要だ。利子とはなんなのか、蓄積とは何なのか、人のこころがそれによってどう満たされるのか。マネーによって奪われた本来の「富」というものをどう取り戻せるのか。制度改革こそが格差解消になるのだという資本主義者のやり方に対して、宗教的な幸福をどう持ち出していけるのか。ぜひそういうことにも取り組んでいってほしい。

 マネーによって流れるようになったモノがある一方、マネーによって流されてしまったモノがある。「利子とはなんなのか、蓄積とはなんなのか」という問いに、僕は今、答えられない。でもその問いの先に、必ず何かがある。輝く何かが。

 マネーを交換するとき、何が交換されているのか。マネー自体は、そのやりとりを取り繕う形であって、交換の実体ではない。形だけの交換は空虚なはずだが、しかし増殖は止まらない。空虚な増殖。

 そろそろ立ち止まって思い出さないと。僕たちが本当に交換したいモノはなんなのかを。

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